GX750 スピードメーター再生(1)

壊れたメーターを分解して構造が分かったのでメーターを直してみる事にしました。直すといってもケーブルの入力部のネジ山が破損しているので、メーターのユニットごと交換する移植のようなものです。ヤフオクでメーターの写真を色々見て、以下のような結論に達しました。

日本精機のメーターの分類
①ケーブルの取り付け部は真っすぐ出ている物(文字盤に垂直)と斜め45度のタイプがある
②MAX速度は180km/h, 160km/h, 140km/h 等あり(昔のメーターや輸出車は200km/h超あり)
③スピード0の位置は斜め下、水平、真下などあり

GXの場合は、ケーブル取り出し部が斜め45度で、速度表示はMAX180km/h(12時の方向が90km/h)で、0km/hの位置は斜め下側です。これに一致するメーターであれば、ヤマハ車でなくても内部のユニットは流用できると考えました。あまり新しいと構造が変わっている可能性もあるので70年代後半から80年代の車種から流用できそうなメーターを探すことに決定です。
候補はXJ,XV,XSなどのヤマハ用ですが、ホンダやスズキでも使えそうな物はありました。ただ、値段が結構高いんです。ヤフオク、メルカリなどを物色するも、中々良いものがありませんでした。目標は1000円程度で落札できることです。送料入れて2000~2500円で手に入れたいところです。ZEAL250、NV400、FZX750用が1000~1100円で落札候補にしましたが、中身が破損している懸念や競り合って価格がUPしたりで断念したものもあり、最終的にFZX750用を1100円ほどで落札しました。年代がちょっと新しいのが不安でしたが、上記3項目の条件には一致しています。

入手したFZX750のメーター、まだ5000kmほどなのでギヤの摩耗も少ないかと思います。
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ケーブルが回転させる軸部は軽くスムースに回りました
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カシメを外し、針と文字盤も外します。中身が欲しいだけなので分解は気楽に出来ました。
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切れたケーブルの先端部をメーターに差し込み電ドラで回して動作チェックします。電ドラMAX速度で45km/hなのはオリジナルのメーターと同じなのですが、45km/hに達するのが異常に遅いです。1分以上回し続けないとこの速度に達しません。何か変ですね。
よくよくチェックしてみると針を回転させるおわん型の部品の上にべったりオイルが付いていました。(下記写真の赤矢印部)非常に硬く粘性が高いオイルのようです。ダンパーのオイルが漏れ出てしまったのでしょうか?これをふき取ってやると速度の上昇も下降もスムースに動くようになりました。
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新旧のメーターユニットを比較してみると微妙に違う部分があります。まず速度警告灯のセンサーとセンサーを遮光する円盤などがありません。警告灯は不要なので、これは全く問題無しです。
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それから入力部のギヤ2点は金属から樹脂に変更されていました(青と白のギヤ)
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更に致命的な違いがありました。ビス締めする斜面に3mm程の厚さのプレートが付いていました。これが問題で、このままメーターのケースにビス締めしてしまうと、2mmほど位置が高く、中心も2mmほど上にずれてしまいます。年式が新しいからか、FZXがアメリカンタイプでメーターが縦長デザインだからなのかはよく分かりませんが、ここのプレートはどうにかしないとなりません。また、ビス締め穴はFZXでは外側を使っていて、GXで使う内側の穴にはネジが切ってありませんでした。(下記写真の赤矢印部)ここはタップでねじ切ればよいので、穴が開いて助かりました。
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意を決して、余分なプレート部分を削り落とすことにしました。まずはメータが付く中心部のピンが変形しないように、ピンより高くなるように段ボールを貼ります。
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削りカスがギヤなどに落ちないようにラップとがガムテープでぐるぐる巻きにしてやりました。
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最初にサンダーで左右の不要な部分をカットします。板金に加締めてあるのは中心部だけなので、プレートの左右部分は削れば取れます。
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後はひたすら手加工です。Φ20mmとなるようにマジックで線を書き、これを目安にやすり掛けしていきます。削ってはノギスで寸法確認し、凸部を削りΦ20の円形になるように仕上げました。
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我ながら手加工でうまく加工できたもんですね。フレームの板金表面も削ってメッキが無くなってしまったので、亜鉛スプレーを吹いておきました。でも、ラップでの養生が不十分でギヤやマグネット部分に多数の金属の削れカスが付着してしまいました。(涙)カスは根気よく、拭いたり吹いたりして除去しました。
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<続く>